なんにでもあう

たきたて白米

悲劇のヒロインはギャグ漫画の主人公と付き合いたい

ラノベみたいなタイトルで失礼します。

 

みなさん、映画『おっさんずラブ』は観ましたか?

 

 

※観てない方は、ネタバレご注意ください!!

 

あ、あとなぜか後半『君の名は。』や『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のネタバレもありますので、お気をつけください!!

 

良いですか?私は言いました!言いましたからね!

 

では、どうぞ!!

 

 

はい。

さほどネタバレはしないかもしれませんが、念には念を入れて、ご注意くださいね。

逆に観た人にしか、なんのこっちゃわかんないかもしれません。すみません。

 

ドラマ版で大いに世間を賑わせた『おっさんずラブ

かく言う私も賑わした1人です。

ブログも書きました。(参照:『おっさんずラブ』を彼氏と観た感想 - なんにでもあう)

 

そんな『おっさんずラブ』が映画になる、と聞いて、私の中には2つの感情が生まれました。

またみんなに会える!!嬉し!というポジティブな感情とあんなにハッピーエンドだったのにまた波乱が起きちゃうの!?というネガティブな感情です。

 

映画ともなれば、初見の人も取り込むために、ただ幸せな後日談だけ流す訳にはいかないでしょう。

つまり、映画の中であの後のみんなに何らかの波乱が待ち受けているということ。

 

やだやだやだ〜〜〜!!あんなにいろんなことを乗り越えてやっと掴んだ幸せも揺らぐ出来事って何ぃ〜〜〜!?怖い〜!でも観たい〜〜〜!!!!

 

と、私の中の黒澤武蔵(部長)が駄々をこねた結果、事前にあまり内容やレビューを調べずに観に行くことにしました。

あんまり調べると、やっぱやめとこ…って気持ちになりそうだったからです。

 

鑑賞した結果、感想を一言で言うと、観たかったシーン全部載せじゃ〜ん!でした。

誤解を恐れず言うと、最高の同人誌でした。

冒頭のアクションシーンも、サウナの修羅場も、蝶子さんとマロのイチャイチャも、夏祭り(花火大会)も、泣きそうな牧も、嫉妬する春田も…

もう観たかったシーン、ぜ〜んぶある

特に夏祭りのシーンの牧の浴衣姿の美しさ…そして個人的に春田は絶対に甚平だと思ってたので嬉しかった…「おっ…」って変な声出た…

 

そして、映画として映画館で観て良かったです。

というのも、あの、劇場でみんなで共有してる感じがとても良かった。

最高の同人誌を誰かと共有できた時を想像してください。それです。

しかも、無理なく同時に読めて、相手が自分と同じタイミングで吹き出したり、息を飲んだりする様子が感じ取れる訳ですよ。

まじで喜びも悲しみも倍。感情の振れ幅が倍になる。どういうこと?

 

あと、ドラマ・映画を全編通して思うことなんですが、牧が悲劇のヒロイン過ぎるし、春田がギャグ漫画の主人公過ぎる

そのバランスが『おっさんずラブ』の面白さだと思うんですが、私は常々思ってることがあるんですよね。

 

悲劇のヒロインはギャグ漫画の主人公と付き合いたいんだろうと。

 

ヒロインは、悲劇の中のハッピーエンドを見つけるんじゃなくて、悲劇そのものから自分を引っ張り上げて作品自体を変えてしまうような人を探していると思うんです。

例を挙げるなら、新海誠の『君の名は。』で主人公2人が再会するのが悲劇の中のハッピーエンドだとすると、そうじゃなくて、隕石が衝突するとわかった時に、急に「俺が止めてみせます部長!」と、こち亀両さんが現れて、衝突を止められても止められなくても「コラァ〜!両津〜!!」「ぶ、部長〜!!」ってなって、なんやかんやみんな生きてるというのが作品自体を変えてしまう感じです。

 

おっさんずラブ』の感想に別作品の「部長〜!」と叫ぶキャラを例に挙げてしまったため、わかりにくくてすみません。

 

でも、両さんが出てきた途端、隕石衝突がそんなに思い悩むことじゃなく思えませんか?

あと、この後なんやかんやあっても誰も死なないという安心感がありませんか?

 

悲劇のヒロインって往々にして死にがちじゃないですか。めちゃくちゃ偏見ですけど。

そこから死の気配を遠ざけてくれるのが、ギャグ漫画の主人公なんです。

 

つまり、牧が春田に惹かれる理由、めちゃわかる〜同意!ということです。

世の中の私のようなマイナス思考な人間は、牧の苦しみやイラつきが痛いほど分かるし、春田と喧嘩した時の「あんたみたいにギャーギャー言いたくないんですよ」というセリフが"言いたくない"のではなく自分の性格のせいで"言えない"し、それを相手に伝える時にこんな言い方しかできない自分にまた絶望しているということが伝わってきて、自分の鏡か?と思うことでしょう。

そして、黒澤部長の「出ました〜言わなくてもわかってほしい!かまってちゃん〜!」というセリフが図星過ぎて足を踏み外すでしょう。

 

でも、大丈夫!!春田がいるからね!

最後は、絶対的ギャグ漫画の主人公・春田のおかげで精神的にも肉体的にも救われる訳です。

 

素晴らしい構造だ…

悲劇のヒロインは、みんなギャグ漫画の主人公と付き合おう…

 

謎の啓蒙に辿り着いてしまいましたが、とりあえず、観て良かったです。

観ようか観まいか迷ってる方は、とりあえずで観て損はないと思います。

 

あと沢村一樹が個人的に好きなので、新キャラとても良かったです。バスローブ姿、ありがとうございました。