『きみはいい子』という映画を観て『12歳たちの伝説』を思い出した
レンタルDVDで『きみはいい子』という映画を観ました。
なんとなく"学校モノ"が観たいなと思い立ち、子供の頃に観て衝撃的だったドラマ『女王の教室』でも見返すか〜と思って寄ったTSUTAYAだったんですが、どうやら私がもう1人この街にいたようで全巻借りられていました。そんなことあります?
まあ私は、週に1巻ずつ借りる派ですけどね。
それでも、なんか小学校が舞台の映画かドラマが観たいんだよな…とフロアを徘徊していると、おすすめコーナーに映画『きみはいい子』がありました。
まじめだが優柔不断で、問題に真っ正面から向き合えず肝心なところで一歩を踏み出すことができない新米の小学校教師・岡野。
近所のママ友たちとの表面的な付き合いの陰で自分の娘に手をあげ、自身も親に暴力を振るわれていた過去をもつ雅美。
他人と会話をかわすのは、登下校の途中で挨拶をしてくれる名前も知らない小学生のみ、最近感じはじめた認知症の兆しにおびえる独居老人・あきこ。
とあるひと町に暮らし、さまざまな局面で交差しながら生きているおとなと子どもたち。
悩みや問題を抱えて生きる彼らが、人と人とのつながりに光を見いだし、小さな一歩を踏み出すさまを、『そこのみにて光輝く』の呉美保監督が、真摯にそして丁寧に映し出す。
"映画『きみはいい子』公式サイト"より
小学校教師がでてくる!
でも、気分が落ち込んでる時に観たら沈み込みそうなテーマだ!!
設定が現実離れした作品『女王の教室』を借りようとしていた身としては、少々現実味がありすぎる気がしましたが…
「まあ、1週間レンタルしてる間に観れる気分の時があるっしょ!」
と、謎のプラス思考を発揮してレンタルしました。
そして、返却日が明日に迫った今日。
どうかな?と怯えつつ、必要に迫られて再生ボタンを押しました。
結果…
まじで観て良かった。
感想が下手なので、あまりうまく書けませんが、全編通して私の"ちょうど苦しくなるポイント"をめちゃくちゃに押さえていて2時間中1時間は泣いてました。
直後のツイートがこれです↓↓
『きみはいい子』という映画を観て目から体のほとんどの水分出ていきました。2時間中1時間は泣いてた。そんなことあります?
— 白米うまいうまい (@hakumaiumaaai) July 9, 2018
そんなことあります?
ちなみに私が"ちょうど苦しくなるポイント"は、ざっくり言うと【頑張る子供】と【先立たれた老人】です。ちょっとざっくり言い過ぎました。
あと、この映画を観て、自分が小学校6年生で児童として学級崩壊したクラスに居た時に夢中になって読んでいた本のタイトルを思い出しました。
以前から内容は覚えてるのにタイトルだけが思い出せなかったんですが、なぜかこの映画を観終わったらスッと頭に浮かんできました。
そうだ、『12歳たちの伝説』だ。
この児童書っぽくない、スタイリッシュな装丁が好きだった。少なくとも当時の私は、そう思っていました。
学級崩壊したクラスにいるのは、とてもしんどい。ま〜しんどい。私は小説の中に『自分よりしんどい人』を探しては、共感して辛くなって泣いて、少し歪んでいるかもしれないですが「自分は、まだましだ」と思い込むことで学校に行き続けることが出来ました。
そういう意味で"今、苦しい大人"に観て欲しい作品だなと思います、『きみはいい子』。
今しんどい人ほど、観て欲しい。
最初の「気分が落ちてる時に観たら沈み込む」は、杞憂でした。
あともうひとつ、『12歳たちの伝説』もそうだったと思うんですが、フィクションだからこそ結末に"救い"があるんですよね。
小学生の私が頑張れたのも「もしかしたら、この小説みたいにワンチャンあるかも」と希望が持てたのも大きいかもしれません。そこまで考えてなかった気もします。
そんなことを思いながら『きみはいい子』の公式サイトの原作者コメントを読んでたら、まさにそれを狙って作っておられました。そんなことあります?
『きみはいい子』映画化に寄せて - 中脇初枝
こどもをめぐる事件の報道が後を絶ちません。
これらの報道は、とても悲しい結末を伝えるものばかりです。
そんな報道に接するたびに、こんな悲しい結末にならない道はなかったのだろうかと考えました。そして、小説でなら、そのような道を辿れるかもしれないと思いました。
"映画『きみはいい子』公式サイト"より
そんなことありました。
小説家すご過ぎ。
原作も読みたくなったので、明日DVD返して本を買ってこようと思います。
『12歳たちの伝説』も読み返したいな〜まだ実家にあるかな〜