なんにでもあう

たきたて白米

飼犬と孫の名前は紙一重

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」

 

私の実家では、犬を飼っていました。

ミニチュア・ダックスフンド名前は『ポテト(仮)』といいました。

 

飼い始めたのは、私が小学校3年生の時。

両親が共働きの我が家では、日中、祖母がポテトの世話をしてくれていました。

飼い始めの躾も、祖母がとても熱心に行ってくれていたのを覚えています。

 

ポテトが来てから我が家では、よく呼び間違えが起こっていました。

我が家に名前が3文字の先住者がいたためです。

その先住者が私でした。名前は仮に『みさと』とします。

 

私がポテトと呼び間違えられ「ポテト、お皿配っといて」と言われたり、ポテトが私と呼び間違えられ「みさと、待て!」と言われたりして、その度にポテトも私もビクッとする日々が続きました。

 

特に私は人間ですから、家庭内で「待て!」と叱られていると近所の人に誤解されたらどうしようと怯えていました。

しかし、そこは持ち前の外面の良さで近所の人には会う度にしっかりとあいさつをし「あの子が家庭内で『待て!』だなんて言われる訳がない」と思われるように過ごして事なきを得ていました。本当に得ていたかは、わかりません。

 

そんなある日、私が学校が終わって帰宅し、玄関の戸を開けた時です。

「ただいま」と言うと同時に、奥から祖母のポテトを叱る声が聞こえてきました。

「あ、叱られてる」と思ったのも束の間、祖母のポテトを「みさと!!」と呼び間違えている怒号が響き、次の瞬間、祖母はこう叫びました。

 

「みさと!!こんなとこで、おしっこしたらダメでしょう!!」

 

えー!!よりによってトイレの粗相!!

しかも、玄関の戸が全開なのに、かなりの声量で!!

 

慌てた私は「おばあちゃん!!犬と、私!呼び間違ってる!」とわざと叫びながら、戸を急いで閉めました。

田舎ですから、玄関のすぐ外には田んぼや畑があり、そこで近所の人が作業をしていたので気が気ではありませんでした。

 

その後、数日間はビクビクしながら近所を駆け足で登下校したものですが、誰も私に「みさとちゃん、おしっこ漏らしたの?」と聞いてくる人はいなかったので安心してください。思ってたとしても聞いてこないと思います。

 

うちのおばあちゃんにとっては、飼犬と孫の名前は紙一重だったのでしょう。

大人になった今なら、その気持ちが分かります。

どっちもちっちゃくてチョロチョロしてたもんね。

 

慌てて抗議する幼少期の私に半笑いで「みさと、ごめんねぇ」と言ってたおばあちゃんにめちゃめちゃ怒ってたな。

でもあの時の私にとっては大問題だったんだよな〜と、今でも時々思い出して笑ってしまうので、こんな私もおばあちゃんと一緒にあの頃の私にめちゃめちゃに怒られるでしょうね。