なんにでもあう

たきたて白米

ギャルとニノだけで繋がっていた話

こんにちは、白米うまいうまいです。

 

私は女子高生の時、登校だけ一緒にするギャルの友達がいました。

 

私とギャルは中学が同じだったのですが、中学時代はグループが違い、全く話したことがありませんでした。

たまに学校で見かけるボブヘアーの前田敦子に似たギャル、そんな認識でした。

そんなギャルとたまたま同じ高校に進学し、自宅からの最寄駅で顔を合わせ、なんとなく一緒に登校するようになりました。

 

ギャルは、ギャルグループの中では大人しい方のギャル、所謂オタクにも優しいギャルでした。

私が男子ならラブコメでも始まりそうなところですが、女子のためそこに特にラブは生まれませんでした。

こういう時にしばしば自分が「男だったらな」と思う人生ですが、逆に男だったら一緒に登校すら出来てないと思うので女で良かったです。

 

とは言え、たまたま同じ電車に乗るのが私だけだっただけ。

登校こそ一緒にしていましたが、学校に着くとクラスも別で特に1日話すことはなく、下校も別々でした。

私達は、登校する時だけの仲の『登友(とうとも)』だったのです。登友という呼び方は、今作りました。

 

登校の時だけとは言え、電車と徒歩を合わせて1時間程の道のり。

共通点の少ない私達にとって、短い時間ではありません。

 

ギャルと何を話すか?

 

最初の頃こそ、学校の話題で盛り上がっていましたが、毎日となるとそんなに話すこともなくなってきます。

 

私は思い切って趣味の話を振りました。

 

「音楽とか何聴くの?」

 

当時BUMP OF CHICKENRADWIMPSにハマっていた私は、何かバンド名が返ってくれば話せる…そう思っての質問でした。

 

「"嵐"が好きだよ」

 

ギャルの答えは"ジャニーズ"でした。

 

私の地元は所謂ジャニオタが多く、女子は何かしらの推しジャニーズがいたのです。

 

そうだった!同じジャニオタ中学出身だった!!

 

しかし、そこは同じ中学出身、3年間で周りのジャニオタから詰め込まれた知識があります。

大丈夫だ、話せる。落ち着いていけ!

 

「誰が好きなの?」

「皆好きだけど、特にニノが好き」

 

前田敦子似のギャルは、ニノ担(二宮和也担当)でした。

そうなると、ここでの最適解は、これだ!

 

「そうなんだ!私も嵐だと、"大宮"が好き」

「"大宮"好きなの!?私も好き!」

 

あからさまにギャルのテンションが上がり、話し方がオタクのそれに。

これは私の周りだけだと思いますが、下手に1人のメンバーが好きと言うと「同担拒否」の子には激怒されてしまうことを知っていたので、大野君と二宮君のコンビ名"大宮"のカードを切りました。

私の少ない手札からベストな選択が出来たおかげで、そこからギャルとは主に嵐のニノの話をするようになり、より親密に。

私はギャルと話す為に『VS嵐』や『嵐にしやがれ』を毎週チェックし、自分から「昨日の"しやがれ"観た?」と話を振っていきました。

ギャルは、ニノの話になると本当に嬉しそうに「ニノかわいい、ほんとかわいい!」と繰り返していました。

 

ニノの話で仲を深めた私達は、段々と深い話をするようになりました。

ギャルは家族仲があまり良くなく、特に父親のことを「ウザ過ぎて、殺したい」と言っていました。まあ思春期の女子には、よくあることですよね。

 

そんな感じでニノだけで繋がっていた私達でしたが、実はギャルが家族揃って新興宗教に入信しており、メールで届いた「今度の土日会えない?」との初めてのお誘いが宗教勧誘だったというオチで疎遠になりました。

 

でもギャルのニノへの愛は本物だったと思います。ニノありがとう。

ギャルの為に初めて雑誌の切り抜きをしたの、一生忘れないよ。